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2011 年 4月 のア一覧

今春のゴカイの仕込み終了!

例年に比べやや遅れ気味でした春の産卵もほぼ終了し、孵化、池への放流が終了しました。

今年は雨量の不足で、予定していた池のクリーニングが出来ず、予定よりも少なめの数量となりましたが、いずれも孵化率はよく、九月ごろには元気で活きのよい「マスオくん」として、お届けできることと思います。

ところで、この写真、なんでしょう?

前回、孵化直前の、生後数日のゴカイの写真を公開しましたが、この写真はそれから10日ほど経たゴカイの幼虫の写真です。

前回3~4対だった節足が、5~6対に増えています。いくらかゴカイらしい?体型となりつつありますが、まだゴカイと解かるほど成長しておりません。

1ヶ月ほどすればはっきりとそれらしく?なりますので心配はいりません。

節足数が日増しに増えて行き、2ヶ月もすれば、ほぼ肉眼でゴカイと確認できるようになります。

その後は、水温も上昇し、エサを活発に食べるようになり、一気に成長します。

ゴールデンウィークをひかえ、注文も増えてまいりました。今年もがんばって、「いきいきゴカイマスオくん」お手元へお届けします。

これは何の写真?

実は、前回のブログで紹介しました、ゴカイの受精卵を顕微鏡で拡大したものです。

上の写真が、一匹のゴカイの孵化直前のもので、下の写真はその写真の全体像です。

ゴカイの赤ちゃんは、卵から孵化する直前はこのような状態です。

ゴカイというより、シラミかダニという感じに見えます。

上の写真では、3対の足とその先に細かいヒゲ状のものが見えます。

ゴカイが、生物の分類上、「環形動物で多毛類」という部類に属するということがなんとなくわかるような気がします。

ちなみに、同じ環形動物で、ゴカイの親戚ともいえるミミズは「貧毛類」で、このような足やヒゲ状のものはありません。

ゴカイの成長過程で、このような足、節足がどんどんと増えていって、およそ2ヶ月後には、肉眼でも「ゴカイだ」とわかるようなサイズと外見となります。

下の写真は、受精卵が、まだ孵化する前のものと孵化直前のものといっしょになった状態のもので、写真全体のサイズは数ミリです。

ゴカイは通常一年で成虫となり産卵、放精し、次の世代を残して死んでしまいます。

この写真で解かるように、最初は3~4対の足(節足)がどんどん増えていき、8~10ヶ月ほどでほぼ100~120の足が生えて成虫となります。

成長の早いものですと、5~6ヶ月で釣りエサとなるサイズになりますが、成長が早く、立派な大きさになっていても、じつは、節足の数はまだ成虫となる数量になっていません。

したがいまして、太さは充分でも長さは短めで、大人?のゴカイの強さ、弾力には欠けます。

「マスオくん、トーナメント仕様」はサイズは小さくても「肉質がしっかりしていて切れにくく針持ちがいい!」という全国のトーナメンターの方々の評価は、「いきいきゴカイ マスオくん」はすべて時間をかけて「大人」となったゴカイだけを「マスオくん」として送り出しているからです。

春の産卵が始まりました!

例年より10日以上遅れて春のゴカイの産卵が始まり、まもなくピークを迎えようとしています。

             ( 左のがオス、真ん中がメス、右が普通のゴカイ)

白いハッポウの箱の底に少し黒っぽく、びっしりと張り付いているのが受精卵です。卵の大きさは、約200~300ミクロン、この一箱に5万~10万個の卵が入っています。

この箱で600個~800個を採卵します。8月~9月にも同様の作業が必要となります。

今年は年末から2月にかけて寒さが厳しく、海水温も低い状況が続いていたため、産卵時期も遅くなると予測しておりましたが、やはりそのとうりとなりました。産卵の遅れはそれほどの影響はないと考えていますが、いちばん困ったのは、雨量が極端に少ないことです。今年3月の総雨量は15ミリ程度で、ほとんど雨が降っていません。

孵化したゴカイを池に放流する前に必ずしなければいけないことが養殖池のクリーニングです。

同じゴカイ養殖業者でも、養殖池のクリ-ニングに塩素系の薬品を使用したりするところもあるようですが、「マスオくん」の養殖場では、すべて真水を使用しており、池の砂の塩分がなくなるまで3~4回水替えを行います。

今年は養殖場の脇にある小川の水が涸れてしまい、やむをえず水道水を注入していますが、時間がかかり、苦労しています。

まあ、これも自然相手ですから、仕方の無いことです。はやくまとまった雨が欲しい!。

こうなったら雨乞いの儀式でもやるしかないか!

私達にできること パート3

地震、津波、原発事故、さらに風評被害と、被災地はまさに何重もの苦難に直面しています。

何とかならないのか!という思いで過ごす毎日ですが、、

とりわけ原発事故に関しては、もはや人災?といってもいいような状況、局面となっています。

「自然を人間の力で組み伏せることはできない!」。このことは30年間ゴカイ養殖をやってきて何度も思い知らされたことです。

かつて、養殖場の建物の大半がビニールハウスだったころ、たびたびの台風の来襲により、ビニールが何度も剥がされたり、飛ばされたりし、そのつどの復旧作業に何日もかかり、「何とか飛ばされないようにしなくては!」とビニールを留めているバンドを、より丈夫なロープに取替えました。

これで一安心!と思っていたところ、猛烈な台風の来襲でビニールどころか建物そのものが倒壊してしまいました。強い風に飛ばされないように!とビニールが頑張ったことにより、今度は建物の強度を超えてしまったということです。

また、その何年か後にも一時間の雨量が100ミリを超えるという猛烈な集中豪雨に見舞われたこともありました。このときは養殖場の半分ほどが水浸しとなり、かなりの被害が出ました。そうしたことは想定し、水路、側溝はじゅうぶん排水できるように設計していたのですが、養殖場の裏手にある山林から大量の雨水と一緒に枯れ木、枯葉が一気に流れ込み、本来なら川に流れるはずの水路、側溝をふさいだために、逃げ場をなくした大量の雨水が一気に養殖場に流れ込んでしまった、ということです。

よく、「想定外のことが!」といいます。しかし、私が経験したこれらの出来事は、決して「想定外」ではないのです。想定し切れてない自分の「発想力」の足りなさと、「備え」の足りなさが招いたことです。

原発事故とその後の関係者の対応を見ていると、かつて私が経験したことと重なり、忸怩とした思いで、ひたすら早く収束へ向かって欲しい!と願っています。

絶対安心、安全はありえない!想定外などという言葉は安易に使ってはならない!

人間は自然を組み伏せることはできない。自然といかに調和していけるか!しかないのです!